もしも願いがかなうなら

ラポート刊 COMIC WILL第一巻

話を作っている時は、ちょっと暗いかなぁ〜って思ったんだけど
完成したら、結構楽しく仕上がって作者としてみれば、
嬉しい限りですね(⌒▽⌒)

マジック*マジック(仮題)


 ここに一人の女子高生がいる。
 名を田中日美子(たなかひみこ)と言う、しかし本名ではない。
 年齢は2000才(推測不能でもよい)である。


 時を逆上る事、2000年前(推測不能でもよい)、人類が文化を生み出して間もない頃、一人の少女がいた。 少女はある日、道端で妹と遊んでいた。 石を並べ、遊んでいるうちに雨が降ってきてしまった。

 石を並べたところが水たまりとなり、雨が上がった時に帰ろうとする姉妹。
 水たまりの上に枝が延びている木から水滴が落ちる。
 その瞬間水たまりに落ちた水滴が波紋を作り、石の並びと重なって、「水鏡陣」となり、悪魔の登場となる。


 驚く姉妹。
 契約を結ぼうとする悪魔。
 しかし文明の発達が始まったばかりの人類には何の事だかわからない。
 呼ばれた以上は契約を取らないと帰れない悪魔。
 しかたなく人間が選びそうな物を並べ(権力、金、不老不死、力、などなど…)、姉妹の姉に選ばせようとする(ゼスチャーで…)。


 よくわからない姉、「不老不死」を選ぶ。
 すかさず、契約書を交わして、消え去る悪魔。

 キョトンとしている少女。

 そして少女は伝説(卑弥呼や八百八尼などなど)を作りながら、現在も生きているのだが…。



田中  「はぁ〜、さすがに生きてるのが疲れたなぁ〜(;_;)。」
 車に体当たりする少女。
 血だらけになっても死なない少女。
 (他にも死のうとするが死ねない。)

田中  「やっぱり、契約を解除するしかないのかなぁ〜(;_;)。」


********

 帰宅する少女。
 長生きしてきたせいか、特許料等で気儘なマンションで一人暮らしをしている。

田中  「さて今日も、頑張ってみようかな…(;_;)。」

 隣の部屋の扉を開くと、床に魔法陣が描かれ、魔法グッツに囲まれている。

田中  「え〜と、いままでの情報をまとめると、ん〜と、え〜と、とにかく契約を交わした悪魔を呼び出さないと、契約は破棄できないんだよね。」

 呪文を唱え始める少女。
 うなり出す魔法陣。


 しかし現れた悪魔は、まったく見たこともない、妙チクリンなものであった。


田中  「また駄目かぁ〜(;_;)。」

 呪術で変な悪魔を消し去る少女。


田中  「だいたいこれというのも、せっかく集めた資料をヤマタノオロチに燃やされるわ!」

 過去の回想シーンがかぶる。


田中  「それから何百年もかけて、やっとこさ、再び資料を集めたら、○○の乱だし〜(;_;)。」

 涙ながらの回想シーン。


田中  「ったく、この国は島国だから西洋魔術との交流が少ないし〜、交流が始まったと思えば、戦争だし〜(;_;)。」

 怒る回想シーン。


田中  「平和になったと思えば、紛い物のお呪い材料しか手に入らないし〜(;_;)。」


 インターホンが鳴る。

田中  「はい?」
勧誘員 「あなたは〜、神を信じますか〜?」
田中  「もう、あんなナンパ野郎には会いたくないわよ!」

 昔に神様(キリストっぽい)とデートしている回想シーン。
 インターホンを切る田中。

勧誘員 「は!?」


 再びインターホンが鳴る。

田中  「あん、もう、しつこいなぁ〜! はぁい!?」
勧誘員 「あの〜、私ですね〜、幸せを運ぶお呪いグッツを販売している者なんですが…? 少しだけでもお話を聞いていただきたいと…?」
田中  「お呪いねぇ〜、まあ、いいわ、お入りください。」


 いろいろと怪しい物を前に妙な解説を始める勧誘員。


田中OFF 「ったく全部紛い物じゃないのよぅ〜(;_;)。」
 勧誘員のトランクの隅の石を見つける。
田中  「ん、それは?」
勧誘員 「あ、これですか、いやこれは、お目が高い! これこそ最近大流行のパワーストーンなんです。 それで…。」

 説明は聞かずに石を手にとって、しみじみ見ている田中。

勧誘員 「しかもこれは、かなり古い地層から発見された…。」(化石等が混じっていてもいいかも。)
田中  「そうよ! 昔私が遊んだ石よ!!」
勧誘員 「は? あのこれは、学者の鑑定付きの正真正銘の…。」

 話など聞いていない田中。

田中  「もしかしてこれを使えば…。」
勧誘員 「?」
田中  「ねえこれと同じ地層から発見された石は他にないの?」
勧誘員 「あ、いえ、おそらく本社に問えば…。」
田中  「全部買った!」


 数日後、石を並び終えた魔法陣の前に立つ田中。
 呪術を始める。
 うなり出す魔法陣。


田中  「そ、そうよ、この感じよ! 現れて〜悪魔さ〜ん!」


 煙と共に現れる悪魔。
 昔のままの姿である。


田中  「やった〜(^_^)!! さ、さ、早く! 悪魔さん、契約を破棄させて頂戴!」

悪魔  「…?」
田中  「どうしたの、早くしてよ。 あなたでしょ、私と契約した悪魔は!?」

 書類を確認し始める悪魔。

田中  「…?」
悪魔  「残念ですが、その契約は破棄出来ませんね。」
田中  「え、どうして?」

悪魔  「その契約を交わしたのは、私の祖祖祖父です。」

 笑顔で答える悪魔。

田中  「じゃあ…。」
悪魔  「残念ですが、祖祖祖父は1000年前ほどに亡くなりました。」

 ショックを受ける田中。

悪魔  「あの〜、何かお願いをしていただかないと…。」

 ハッと気づく田中。

田中  「あ、そうだ! 私を殺してちょうだい! 思いっきり!!」
悪魔  「いやぁ、申し訳ありませんが、先代の契約とパラドックスが起きる契約は出来ないと…、えーと、先代の契約書にも書いてあったかと…。」

 再びショックを受ける田中。

悪魔  「えーと、もし選ぶのが難しいのでしたら、ここにカードがありますので、ここから選んでいただければ…。」

 悪魔の手に持っているカードは彼女が契約当時に先代が作ったカードであった。

田中  「あ〜ん、誰か死なせて〜!!」

 泣く田中、困る悪魔。


終焉