モンモン・モンスター(仮題) [16頁前後予定]1994年
アダムスファミリーの雰囲気を児童誌用にしようと思います。
なおかつ人間と友達、ヒーロー色なども強めにしていきたいです。
食堂のテーブルの上に豪華な料理が並べてある。
牙雄 「うわ〜っ、今日の夕飯すごいね〜。 誰かの誕生日?」
魔子 「ばかね、さっき飛行機が落ちて全員死んだじゃない、最近こんな縁起が悪い日がなかったから、腕を振るったのよ。」
牙雄 「やった〜っ、明日は玉突き事故でもあるといいね。」
魔子 「ママはバスガス爆発の方がいいなぁ。 さ、それよりさっきの飛行機事故をビデオに撮っておいたから、セットしてみんなを呼んできてちょうだい。」
牙雄 「は〜い。」
食堂に集まってくる家族一同。
不乱 健「なんやら今日は久々の不幸だそうだな、いやめでたい。」
花子 「これだけ料理が多いと、今日はパパが間違って牙雄を食べないで済そうね。」明るい笑顔で花子が言った。
牙雄 「そうだよ、パパはおなかが減ると何でも食べちゃうから。僕なんか少し消化されてたんだから。」
花子 「でも、パパの食欲のお蔭で近所からうるさい犬がいなくなったから嬉しいけどね。」
健 「隣のは不味かったぞ。」
魔子 「さあさ、お喋りはその辺にして食事の前のお祈りよ。」
一同 「今日も食事を与えて下さった神様に感謝。」
みんなが祈ってる神様はキリスト様のように磔にされている呪いの藁人形である。
ビデオを見ながら楽しい食事。 テレビ画面には事故の模様が写っている。
魔子 「人の不幸は蜜の味って、言うけど昔の人はよく言ったわね。」
ビデオが終わってしまう。
牙雄 「ビデオ終わったから、テレビにしておくよ。」
リモコンでテレビにする牙雄。
テレビではワイドショーをやっていた。
テレビ 「今日は先日結婚して幸せいっぱいの女優の…。」
魔子 「牙雄! 食事が不味くなるから、人体解剖ビデオにでもしなさい。」
牙雄 「は〜い。」
健 「まったく、こんな子供が起きている時間になんて不謹慎な番組をやっているんだろうね、人の幸せを放送するなんて、常識がないテレビ局だな。」
夜も更けて、牙雄と花子が寝始める。
花子 「ママ、おやすみなさい。」
魔子 「はい、おやすみなさい、今日も好きな人に足を向けて寝るんですよ。」
花子 「は〜い、恋が叶う大事なお呪いだもんね。」
魔子 「そうよ、パパとママが結婚出来たのも、そのお呪いのおかげなのよ。」
牙雄 「ママ、おやすみなさい。」
魔子 「はい、おやすみなさい、ちゃんと牙を磨いておくんですよ。」
牙雄 「は〜い。」
狼の姿になっている牙雄。
牙雄 「あ、そうそう、最近針ベットのささりが悪いから、今度針を磨いておいてね。」
魔子 「あら、それはごめんなさい、じゃあ今日はしょうがないから台所のガスレンジの上で寝なさい。」
牙雄 「は〜い。」
魔子 「夜は冷えるから、ちゃんと火をつけて寝るんですよ。」
ドアを開けて血をダラダラ垂らしながらフラフラした足取りで健が入ってくる。
魔子 「あら、いかがでした? 豚の血風呂は?」
健 「う〜ん、なかなか匂いでクラクラするものがあって、よかったけど、私は昨日のミミズ千匹風呂のほうが肌触りにはよかったな。」
魔子 「あら、それは残念だったわね、じゃあ明日は血風呂にスッポンでもブレンドしてみましょうか?」
健 「噛まれるかな?」
魔子 「もうそりゃあもうビンビンよ。」
健 「うひゃ〜。」
嬉しそうな健。
夢を見ている花子。
とても綺麗な花畑を楽しそうに走っている。
手前に”立ち入り禁止”の立て札。
夢を見ている牙雄。
楽しそうに川で泳いでいる。
後ろからピラニアやらジョーズやら追いかけてくる。
次の日の朝、起きてくる子供たち。
魔子 「おはよう、よく寝れた?」
花子 「悪夢ばっかしで、全然気持ち良く寝れなかった。」
魔子 「まあ、じゃあ今日は一日いい事がありそうね。」
花子 「うん!」
笑顔の花子であった。
牙雄 「ねえねえ今日の朝御飯はな〜に?」
魔子 「今日はね、朝から胃がもたれるようにコウモリのバター煮とスクワームのクリームスープよ。」
皿の中でピチピチしているスクワーム。
牙雄 「うわっ、生きがいいね、これなら一日中胃がもたれるよ。」
嬉しそうな牙雄。
魔子 「ちゃんと食べるときはゴマラー油を一瓶かけてから食べるのよ。」
花子 「ゴマラー油っていえば、おじいちゃんの大好物だったね。」
魔子 「あら、そういえば、おじいちゃん元気かしら? 400年ほど会ってないけど、まだぶら下がってるといいけど。」
牙雄 「じゃあ、俺がおじいちゃんの所にご飯届けるよ。」
魔子 「お願いね、お礼にいっぱい病気貰っておいで。」
廊下の突き当たりの部屋に入っていく牙雄。
中は真っ暗で天井から干からびたミイラみたいなおじいちゃんが逆さ釣りされている。
牙雄 「おじいちゃん、ご飯ここに置いておくよ。」
床に食事を置いて立ち去る牙雄。
ドアを閉めると、中からグチョグチョと粘膜質な食事の音が聞こえてくる。
朝御飯を食べてる一同。
スクワームが逃げ出し、フォークで刺して捕まえて食べる子供たち。
魔子 「だめよ、もっと行儀悪く、手掴みで食べなさい。」
子供達 「は〜い。」
宅急便 「すいませ〜ん。 宅急便で〜す。」
ドアをノックする宅急便屋。
ドアが少し開き、中から毛無垢じゃらの腕が出てきて、宅急便屋から荷物を奪い取る。
驚き、放心状態の宅急便屋。
一度ドアが閉まるが、すぐまたドアが開き、さきほどの腕の掌が血まみれになって出てきて宅急便の伝票に印鑑のかわりの手形を押す、が、思いっきり押したので宅急便屋さんが外まで吹っ飛んでしまう。
屋敷の外に怪しい車が停車し、中からいかにもヤクザ風の男たちが屋敷を見ている。
男A 「社長、ここですぜ。」
社長 「うむ確かにいい土地だ、ここならいいビルが建ちそうじゃな。」
男B 「では早速交渉に行って来ましょうか?」
社長 「うむ、文句を言うような住民なら…、わかっているだろうな。」
男B 「わかっておりますよ、フフフ…。」
屋敷の上に暗雲が立ち込める。
第一話 完
第二話〜第三話の展開は、ヤクザ風に見えていた男たちは実は教育塾ビルを建設しようとしているヤクザ達で儲け主義の塾で正義とは言えないけど、モンスター一家と地上げ屋の戦いが展開します。
第四話以降の展開は遊園地に遊びにいく一家の団欒、父兄参観、体育祭、Jリーグに憧れて友人モンスターを集めたサッカーチームでのはちゃめちゃ試合等、ごくごく普通の世界でのイベントでのモンスター・ギャップを考えております。
TO BE CONTINUED