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それは本当に突然の出来事でした。 ちょうどあれはプリMH35話の原画を描いていた途中、東映の製作部から1本の電話がかかってきたのが始まりです…。(忘れもしない9月30日(^ ^;)) その電話の主は、前にどれみでお世話になった制作の方でした。 ガイキング班に移ったとのことでしたので、ああきっと原画手伝ってくれとかなんだろうなぁ…とは思っていたのですが…。 「メカニックデザイン手伝ってくれない?」…と言い出したので… 「はぁ?」…何を言っているんだろう、この人は…と思ってしまいました(笑)。 「自分、メカ下手で有名なんですよ!」 「いやいや、大丈夫だから!」 (心の声:な、何が大丈夫なんだ?(; ;)) 「え、でも、今プリの原画もやっているから、原画と違って、原画とメカデの両立は自分の能力的にも無理かと…。」 「あ、それならもうSさん(プリの制作)に話通してあるから、OKっすよ!」 (心の声:うおお〜、オイラの知らないトコで人身売買されとる〜(苦笑)) 「じゃあ、お手伝いはしたいですが、やっぱ描かせてみて「うわ、本当に下手くそだ!」って思ったり気づいたりしても、自分は責任取れませんよ! 責任は全部Nさん(ガイキの制作)ってコトで(笑)。」 と言うのが条件で引き受けることになったわけです(^ ^;)。 |
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私が担当するのがB.G.M.D(基本背景メカニカルデザイン)で、パースの才能など微塵もなかったので、必死に定規を駆使して(苦笑)、何とか放送に間に合うことが出来ました。(ガイキングの背景デザインは、基本的には流行のゴテゴテとではなく、あくまでも旧作を活かした、変な言い方ですが「チョイ・レトロ」の雰囲気らしいのです。(まあだから自分も参加できたのかも知れませんが(苦笑)) 敵モンスターや顔付き戦艦なども「チョイ・レトロ」を意識した作りになっているようです。) 実はその最初の打ち合わせの際にもう一つ恐ろしいお願いもされていたのでした。 薄々は判ると思いますが、番組の最後に30秒間オマケコーナーを作りたいので、チビキャラを使って、好きに遊んで欲しいとのコトでした。 つまり丸々、企画から原画までオイラがやるという恐ろしい内容でした(^ ^;)。 つまりそれが「ガイキング占い」です。 当初人気がなかったら、すぐに内容を変更しようとのコトだったのですが、こちらも放送が始まったとたんにコーナー人気や視聴率が良いとのコト、声優さん達のウケが良かったりと嬉しいことに続けることが決まりまして、ついには最終回にもオマケコーナーが入ってしまいました(苦笑)。(当初最終回はオマケコーナー無しの予定だったんです。) 実はガイキングに参加して、もっともっと嬉しいことがあったんです(^ ^;)。 それは、ガイキングに参加することが決まった後、東映の他のアニメのスタッフの方から「え、メカやるの?」などと驚かれたのです(苦笑)。 |
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知っている人は知っていますが、自分は某ロボットアニメのトラブルで心神衰弱状態になって、某アニメスタジオをやめたり、漫画を描かなくなったりして、心の救いとして「おジャ魔女どれみ」のスタッフに加えて頂いたので(詳しくはこちら)、オイラがロボットアニメをやると言うのは意外だったのは確かかも知れません。(まあもっとも自分が一番意外だと思っていましたが(^ ^;)。) そんなロボアニメ・トラウマがあったオイラなのですが、今ではガイキングが楽しくてしょうがないんですよ(^ ^;)。 変な話、ガイキングだったら何十年続いても楽しかったと思います。 ただ一つ必要なのは「同じスタッフ」でと言うことなんですけどね(^ ^;)。 生意気な言い方ですいませんが、本当に素晴らしいスタッフでした! 多少トラウマが発症するかと、自分でも心配していたのですが、まったくその逆で、こんなにロボットアニメが楽しく良いモノと感じたのは、冗談抜きで初めてです! それで判ったことは、仕事の善し悪しは「人」で決まると言うことです。 そしてそんな素晴らしいスタッフが作ったアニメだからこそ、あれほど面白く凄い作品になったのだと言う確信です! だから、変な話、昔やっていたメカ物は思い出したくもないけど、ガイキングは参加していたって、誇りにして話したいくらいです(^-^)。 |
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そんなガイキングの背景等のメカデザインするに当たって、周りには凄いメカ物のベテランさんが一杯いるので、やっぱり自分は無理しないで、自分のスタイルでと思い、流行メカなどを追うこともなく、作画する人が描きやすいことだけど念頭に置いて、近年のメカ物の中では、かなりシンプルの部類に入るデザインがほとんどでした(苦笑)。 ま、まあ何かそんなシンプルデザインと占いだけじゃ申し訳ないかと思って、たまに原画も手伝わせて貰いました。 これまた笑い話ですが、メカ物の原画は23年ぶりに描きますからね(笑)。 (もちろんメカ物以外の原画は、ポコポコと描いていましたけど(^ ^;)。) ちと不安はありましたが……、監督さんとかも気を遣って頂き、シリーズを通してメカのカットは数カットだけで済みました(苦笑)。 …とは、言うモノの普通に下手くそのオイラなので、なるべく迷惑かけないようにと頑張りました。 そんな中、結構ルルの心情表現のシーンを多くやらせて頂き、細かい目芝居や表情芝居は本当に勉強になり、思い出深いモノにもなりました。 まあ、自己判断になると、結構自分が描くルルは、少々童顔っぽくなってしまうので迫力とか欠ける分、作監の方達にはご迷惑かけたなぁと言うのもあります(; ;)。 このページに掲載しているのは、原画ではなくて清書前のレイアウトですので、もろ自分の絵が見えると思います(苦笑)。 (レイアウト・原画等の違いについては、お手数ですが、ネットとかでお調べ下さいm(__)m。) (他の原画・設定とか見たい方は是非同人情報へどうぞ(^ ^;)!) |
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もちろんメカニックの方も思い出深いモノは沢山あります。 変な話ですけど、メカニックデザインの仕事は下手くそながら何本かの経験はありますが、今回のような背景に関するメカデザインは初めてに近かったので、滅茶苦茶不安はありました。 ましてや大空魔竜のメインブリッジとかは、必ず毎週出てくるようなモノですからね、毎週見ていても飽きが来ないようなデザインと思い、どちらかと言うとシンプルに、操作系もタッチパネルなどを使って見せる方法で行きました。 逆に発進口ではコイルや光り物を多くして、派手な演出が出来るようにしてみました。 もちろんこういうアイデアも多くのスタッフの方達からのアドバイスとかがあったからこそと言うのも事実で、それが出来たのもスタッフ同士の親密な繋がりがあったからこそだと自分は信じています。 多くのアニメ会社もあり、多くの作品を作っているのですから、そりゃあスタッフの気持ちなんかいちいち考えない会社や作品もあるのは経験・体験から十分に判っています。 現実ファンには大人気だけど、スタッフからは嫌われている作品なども多々あるのは残念な事実です。 |
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そんな中、スタッフが楽しく、進んで作るような作品は凄いと思いますし、だからこそ、誇りに出来る作品だと思います。 自分は、どれみの作品、それ以降の同班の作品でも同じように感じておりましたが、本当に自分は運がよいのか、どれみ以降、参加して本当に良かったと思える作品に出会ってばかりで、このことだけは何度でも自慢したくなってしまいます。 まあ中にはそういう作り方やスタッフが嫌いなアニメ関係者も多々いるようですが、あくまでも自分はスタッフの気持ちを大事に考えてくれて、楽しく、喜びを感じられて、達成感、や誇りも感じられる作品が大好きです! ブログ等でも何度か言っていますが、ホント自分はまだまだ未熟ですから、逆に迷惑かけている癖に何言ってんだと言われそうですが、こんな自分でもちょっとでもお役に立てそうなら、まだまだお手伝いしたいですね。 ホント何度も言ってしまいますが、ガイキングに参加できて、メカアニメの面白さも教えて貰ったり、占いコーナーのようなワガママもやらせて頂き、心底嬉しかったです。 ガイキングに出会えて、本当に感謝です! |
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